レーザーのクラス分け
使用状況、安全性、出力によるクラス分けについて
レーザーの危険性
レーザー光を直接目に照射することは、例え出力1mWのレーザーだとして懸念されます。しかしながら、一般的かつ常識をわきまえた上での使用方法において、クラス3Rまでのレーザーについては特段の危険はないと言えるレベルです。クラス3B以上については、使用環境に気をつけるなど、使用者自身がレーザーがもつ危険性を十分認識している必要があるレーザークラスです。尚、この解説は、日本におけるJIS C 6802の平成17年改訂のレーザークラス分けに基づいたものです。
クラス1
合理的に予見可能な運転状況下で安全であるレーザー。どのような光学系(レンズや望遠鏡)で集光しても、眼に対して安全なレベルであり、クラス1であることを示すラベルを貼る以外は特に対策は要求されていない。
クラス2
可視光のみに規定され、眼の保護は「まばたき」などの嫌悪反応により行われることによりクラス1なみの安全が確保されるレーザー。
クラス1M
合理的に予見可能な運転状況下で安全である302.5 - 4000nmの波長範囲の光を放出するレーザー。光学系で覗かない限りは安全なレベルである。このレベルの光を屋外に放射することは、望遠鏡等を覗いている人がいないとは言えないので危険と考えるべきである。つまり屋内などの使用条件が限定された場所でのみ安全なレーザーとみなすべきである。
クラス2M
可視光のみに規定され、眼の保護は「まばたき」などの嫌悪反応により行われることにより安全が確保されるレーザー。光学系で覗かない限りは安全なレベルである。
クラス3R
直接のビーム内観察は潜在的に危険であるが、その危険性はクラス3Bレーザーに対するものよりも低いレーザー。製造者や使用者に対する規制対策がクラス3Bレーザーに比し緩和されている。クラス1あるいはクラス2のAELの5倍以内である。鍵やインタロックを取り付ける必要がない点で、その上のクラスとは異なっている。
クラス3B
連続発振レーザーで0.5W以下、パルスレーザーで10~5Jm/m~2以下のもの。直接見ることは危険なレーザー。直視をしなければ安全なレベル。鍵やインタロックを取り付ける必要がある。使用中の警報表示等が必要。
クラス4
散乱光を見ても危険な500mWを超えるレーザー。皮膚に当たると火傷を生じたり物に当たると火災を生じる恐れのあるものを含む。出射したレーザービームはいつでもブロックできる対策が必要。シャッターなどの安全装備を取り付ける必要がある。
レーザーポインターを正しく使うために
レーザーポインターが使用される環境はさまざまです。例えば、建設現場や講義、山登り、星空観察、研究、工作、レジャーなど多岐にわたりますが、便利なレーザーも使い方を誤ると事故につながってしまいます。社会的マナーを守り、レーザーの利点を活かして安全にご使用ください。